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⚫︎ナショナル・カミングアウト・デーについて

10月11日の「ナショナル・カミングアウト・デー」は、1988年に心理学者であるロバート・アイクバーグ博士とLGBTQ権利活動家で自身もレズビアン女性であるジーン・オリアリーのもと、性的指向や性自認を公言する人々を祝福する国際的な記念日として定められました。現在、その理念は世界中に広がり、毎年世界各地でLGBTQ+コミュニティに関する大規模な祝典などが開催されています。

 

キース・ヘリングは、1980年代当時としてはまれなゲイ男性であることをオープンにして活動しているアーティストでした。1988年「ナショナル・カミングアウト・デー」の発足にあたりロゴとなる作品を制作。英語圏では、LGBTQ+であることを隠していることを「クローゼットに閉じこもる」と表現をしますが、この作品では、暗い場所から一歩踏み出し色鮮やかな世界に飛び出す様子が描かれています。カミングアウトしてありのままの自分で生きることを色鮮やかに祝福するような本作は、現在でもナショナル・カミングアウト・デーのシンボルとして国際的に知られています。

当館が所蔵するポスター「ナショナル・カミングアウト・デー」は、現在日本を巡回している「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」へ出展されており、11月16日(土)まで松坂屋美術館(名古屋)にてご鑑賞いただけます。

⚫︎本年度の当館の取り組み

 

 「次世代へのエンパワーメント」を活動目的のひとつとして掲げる中村キース・ヘリング美術館では、今年のナショナル・カミングアウト・デーを、若者のカミングアウトについて考える機会とし、「NKHCナショナル・カミングアウト・デー2024」を開催します。当事者たちを中心とした長きにわたる活動により、今日ではLGBTQ+コミュニティの存在が広く認知され、世界各地で平等な社会の実現へ向けた歩みが進む一方、差別や偏見が根強く残る現実もあります。当館は、カミングアウトをしたいと考える若者たち、そしてカミングアウトを受け取る人々、双方へ自己・他者理解のきっかけとなることを願って本イベントを開催します。

今年、当館で紹介するトレバー・プロジェクトにより制作された「カミングアウト LGBTQ+の若者のためのハンドブック」は、性別や性的嗜好に関する基本となる考え方や、カミングアウトをする際の具体的な方法や心のケアについて紹介しています。2024年10月11日(金)から11月11日(月)の期間中、当館のオープンスペースにて、このハンドブックを日本語でご覧いただけるコーナーを設置するほか、当館の蔵書よりLGBTQ+やカミングアウトに関する書籍を開架いたします。オープンスペースへは無料でどなたでもお入りいただけますので、どうぞお気軽にお越しください。

「ナショナル・カミングアウト・デー」は、カミングアウトを推奨するものではありません。ハンドブックに詳細に解説されている通り、カミングアウトには、適切なタイミングを見計らうことやセルフケアを行うことなどがとても重要です。当館で開催する本企画は、「カミングアウト」とは一体どのようなものなのか、その理解を深めることと同時に、カミングアウトをしたいと考える人々、カミングアウトを受け取る人々への自己・他者理解の一助となることを願って開催されます。

カミングアウト:
LGBTQ+の若者のためのハンドブック

ようこそ!

 

セクシュアル・オリエンテーション(性的指向)やジェンダー・アイデンティティ(性別)を探ることは、多くの感情や疑問を引き起こすことがあります。このハンドブックでは、アイデンティティについて考え、それを他の人と共有する際に役立つツールやガイドとなる質問を提供します。

このトレバー・プロジェクトの「カミングアウト LGBTQ++ユースのためのハンドブック」は、LGBTQ+ユースが自分のアイデンティティに関する疑問や悩みを乗り越えるためのサポートをします。自分のことを一番よく知っているのは自分自身です。どの部分を他の人に共有するか、しないかは、自分で決めることができます。共有したくない部分があっても、それはまったく問題ありません。他の人に自分のアイデンティティを伝えない選択をしたとしても、それが自分の価値を下げるわけではありません。

 

「自分が誰かを少しずつ理解していって、そのたびに自分をもっと好きになっている」

 —ヘイリー 16歳(バージニア州)

「カミングアウト」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、それは時に簡単に語られたり、批判的に扱われたり、恐ろしいものとして語られることがあります。しかし、実際には「カミングアウト」や「アウト」になるための決まった方法はありません。ある人には、セクシュアル・オリエンテーションやジェンダー・アイデンティティを共有したい人がいるかもしれませんし、安全や安心を感じられないために共有したくないと考える人もいるかもしれません。それは完全に正常なことです。

信頼できる友だちにオンライン上で共有する人もいれば、カウンセラーや家族にだけ伝える人もいます。あるいは、全ての人に自分のアイデンティティを知ってほしいと感じる人もいるでしょう。重要なのは、多くの人にとって、カミングアウトは一度だけではなく、さまざまなタイミングで異なる人々にカミングアウトすることです。

自分にとって何がベストなのか、自分に合った方法で進めれば大丈夫です。カミングアウトについて語られる話の中には、プレッシャーを感じさせたり、まだ準備ができていないのに一歩踏みださなければならないように感じさせるものもありますが、体験はそれぞれユニークです。このハンドブックは、自分にとって何が最適で安全かを考えるサポートをするためのものです。

深く考えた結果、他の人にはカミングアウトせず、自分だけにカミングアウトすることを選ぶ場合もあります。それも全く問題ありません。多くの人々は、さまざまな理由で他の人にカミングアウトしないことを選びます。どの選択をしても、サポートを受ける価値は変わりません。このリソースは、どのように感じているか、どんな選択が自分にとって正しくて安全かを探るためのものです。

⚫︎情報サイト・相談先リスト

 情報サイト                

 にじっこ(東京)

15歳以下のLGBTかもしれない子どもと家族のための集まりを年4回開催しています。

 

にじーず(仙台、埼玉、千葉、東京、長野、新潟、京都、大阪、神戸、岡山)

10代から23歳までのLGBT(かもしれない人を含む)の居場所です。月1回開催しています。

 

LGBTの家族と友人をつなぐ会(東京・名古屋・神戸・福岡)

LGBT当事者やその家族、友人の参加できるミーティングを開催。小学生以下の子どもが参加の場合には事前連絡が必要です。

 

SHIP(神奈川)

家族が参加できる「かぞくの会」や10代向けのプログラムなど豊富。

 

トランスジェンダー生徒交流会(大阪)

年3回の定例会と年1回の合宿を大阪市内で開催するほか、年1回のキャンプも開催しています。保育園児から高校生まで、いろんな人が集まります。

 

FRENS(福岡)

24才以下のLGBTQ+の子ども・若者をサポートしている団体です。

 

ぷれいす東京LGBTQ+ユースのための相談窓口

どんな行為で性感染症に感染するのか、検査を受けた方がいいのか、セーファーセックスの工夫や性のコミュニケーションについてなど、LGBTQ+ユースの疑問や不安にトレーニングを受けた相談員が答えます。LINEで友だち登録の上、気軽にご相談ください。⇨LINE

 

ぷれいす東京

HIV/エイズとともに生きる人たちが、ありのままに生きられる地域づくりをめざしている団体。

 

Stay Healthy

友だちや恋人が、カラダとココロに悩みを抱えないために。このウェブサイトはあなたの大切な人と相談先をつなぎます。

 

 相談先リスト              

よりそいホットライン

24時間365日稼働している電話相談。4番がLGBTに関する相談。

📞 0120-279-338

岩手・宮城・福島県からは📞 0120-279-226

 

フレンズライン

毎週日曜日の17時から21時まで稼働している。24歳以下の子ども・若者やその周辺の大人が相談することができる。

📞 080-9062-2416

 

いのちの電話

自殺予防を主な目的としたさまざまな悩みごとを匿名で相談することができます。

 

24時間子供SOSダイヤル

全都道府県及び指定都市教育委員会で運営しています。いじめなどの子どもの悩みについて相談することができます。24時間毎日実施しているので、いつでも相談することができます。

📞 0120-0-78310

 

わかものメンタルサポート協会によるLINE相談

どこにも居場所がなく、相談する人も周りにいなくて孤独を抱えている10代の子どもが相談することができます。匿名で相談することができ、本人が望まない通報等もありません。受付時間は毎日24時間なので(返信に時間を要する場合があります)、何時でも相談することができます。

こころのほっとチャット

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエアが運営しています。
様々な悩みを、チャットを通してカウンセラーに相談することができます。
LINE、Facebook、ウェブチャットから、無料・匿名で相談することができます。

 

情報提供:にじっここども支援ナビ

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